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2017/10/21 (Sat)

10話 蜘蛛

 春とは無縁ではないかと思えるほどの吹雪が吹き荒れ、白銀の大地が広がる。
 幾つもの高い山や崖が存在しており、その内、もっとも標高が高い所に村があった。
 まるで自分が小さくなったように・・・家も気も何よりも巨大に感じたこの村。
 そこで立つ内の一軒家に、青年と少女が火に向かい合い座っていた。



 「遠矢、元気にしているかなぁ・・・。」



 青年はそう小さな呟きを漏らし、天井を仰いだ。
 その呟きを聞いて、少女はふと青年の顔を見る。



 「早くティルコネイルに向かいたいけど・・・今日も吹雪なんだよな。」
 「最近ここもフィリアも嵐が酷いらしいの。」



 青年は恨めしそうに窓の外側を見て溜め息を吐く。
 吹雪の日にでも、食糧を求め狩りに出かけることはあるが、流石に遠出は出来ないほどである。
 少女は立ち上がり、家の中にある本棚に手を突っ込み、紙を出し、ついでに反対の手で羽を取り出した。



 「安否の手紙、書く?一樹お兄ちゃん。」
 「字下手だけど・・・頑張って書いてみるかな。」



 その時、吹雪に揺られる窓が一瞬強く叩かれたような音を鳴らした。

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10話 蜘蛛











 「嘘・・・。」



 アルビダンジョン最奥部に辿り着いた時、泉理は声を震わせた。
 恐怖の為声も小さく、隣にいる遠矢の耳に聞こえるのがやっとである。

 遠矢はトレボーから譲り受けた精霊剣を使い、泉理は主に細身の短剣を使い戦う。
 最奥部まで向かうのに特にと言った強いものは出てきておらず、不慣れな剣でも充分に手ごたえがあった。
 各部屋に宝箱、又はスイッチらしきものが4か所立てられている。
 基本はその仕掛けから現れた魔物を倒し、鍵を手に入れ扉を開け、突き進んでゆくものだと知った。



 そして・・・最奥部の部屋を開ける一回り大きく赤い鍵で扉を開けた時・・・。



 「こんな大きく無かったはず・・・どうして・・・。」



 遠矢の目に焼きついたのは、元の世界に居た時に現れたものと比べ物にならない程の大きさの蜘蛛。
 部屋の中も広く天井も高いが、高さの方ではギリギリおさまる程である。
 泉理が漏らした悲鳴は、かつての事実を物語る。

 『巨大化』したのではないかと。



 「泉理ちゃん、俺が弓矢で引き寄せる。」
 「え・・・。」
 「だから矢でひるんでいる間に、蜘蛛の懐に入って弱点を見つけて教えて欲しいんだ。」



 我ながら無茶なことをやろうとしていたのは分かっていた。
 遠矢は背にかけている弓と矢を取り出し、弦に羽をひっかけながら泉理に言う。
 ガタガタと震える少女は俯き、表情を曇らせていたが、遠矢は続けて言った。



 「何かを探しに行くには、勇気と強さが必要だと思うんだ。
  人を尊敬して憧れるのは、それほど勇気と強さがある、立派な人だからじゃないかな。
  失った物も幾つもあるかもしれないけど、幸せそうにする人って、そう言う人多いよ。」
 「・・・・・・。」



 すると泉理はやがて決心をしたように、キッと顔を上げ剣を構えた。
 それを見た遠矢は、小さく微笑みながら「そうこなくっちゃ」と言い、ギリリと弓矢を握る力を強くする。

 照明を定め、腰を低くし弦を最大まで引く。
 ティルコネイルの村長から、特別に教えてもらった弓の基本的な技・・・。
 最大の力と体力を使いながら射た矢は、衝撃波と共に飛ばし突き刺さった相手は後ろへと吹っ飛ぶ。
 それほどの力を込め射た技を「マグナムショット」と呼んだ。



 ―――バシュンッ!



 弓から放たれた矢は、空気を鋭く切り巨大な蜘蛛の毒袋の方へと向かい深く突き刺さった。
 蜘蛛は言葉に言い表わすことが出来ない程奇妙な悲鳴を叫び、後ろの方へと引っくり返る。
 しかしそれで獲物を見つけると、その獲物を捕えようとギラギラとした目を向け起き上った。

 すると懐に潜り込んだ泉理は、毒袋が始まる切れ目に剣を深く差し込み切断する勢いで横に斬る。
 だがそれは相手を挑発するだけで、ギロリと泉理を睨む。



 「!?」



 毒袋から漏れ出した血は、重傷を負わせたと思わせるほどの深い傷であるはずだった。
 しかし蜘蛛はそれを気にせず泉理の方へと向きを変え、足を牙を延ばす。

 その時、遠矢の鞄の中から何かが飛び出した。
 それはまるで細い稲妻のように駆けだす、小さな生き物だ。



 「僕を忘れられちゃ困るねー!」
 「ニノちゃん!?」



 泉理を捕えるわずか数センチのところで、ニノは蜘蛛の顔面へと食らいつき、足で思いっきり蹴り飛ばした。
 ネズミとは思えないほどの殺傷力で、顔面を滅茶苦茶にされた蜘蛛は鋭い悲鳴を上げる。
 怒り狂った蜘蛛はニノへと襲いかかるが、慣れたようにさらりと攻撃をかわし、カウンターを食らわせた。

 遠矢も負けずに、再度マグナムショットを撃ち込もうと矢の羽を鷲づかみする。
 泉理はそれの時間稼ぎに、素早い動きで左右1本ずつの足を切断させ、バランスを崩させた。
 そして照明を正確に定めた遠矢はもう一発、強力な矢を蜘蛛の顔面に射る。



 「やったか!?」



 見事に命中し、再び蜘蛛がひっくり返り足を痙攣させ、動かなくなったかと確信した時だった。
 遠矢は自分の背にドッと何か重い物がのしかかったように感じた。
 腕も棒のように動かなくなり、筋肉が痺れている。肺に溜まった息を吐き出した時、ふと思い出す。

 ダンカンは言った。
 『但し、今は1日2度までが限界だから程ほどにしなさい』と・・・。



 「!!」



 目を疑った。

 蜘蛛がいつもと変わらない動きで、鈍さを感じさせない動きで遠矢へと向かってきている。
 それも、もう既に目の前まで迫ってきており、弓矢を使うにも力が入らず思うように動かすことが出来ない。
 やられることを覚悟し、身を縮めた時だった。



 「ライトニングボルト!」



 空気が破裂するような爆音が聞こえ、蜘蛛の動きが止まる。
 ニノが操り放った光の線は幾つも枝分かれに、そして蜘蛛全体に渡るように光が刺さる。
 紫色に光る雷は、空気中に漂うものから発された。
 動きが止まったところで泉理は風のように駆け抜け、蜘蛛の至るところを剣で切り刻んだ。



 「無駄だ!」
 「え・・・!?」



 その時短く、しかし鋭く叫んだ声が聞こえた。ニノには・・・それは大切な者の声ですぐさま正体を見破る。
 泉理は思わず硬直してしまい、蜘蛛はそれをチャンスだと思ったのだろうか。
 少女に圧し掛かり牙を向いた瞬間、蜘蛛は何かにぶつかる感覚を覚える。

 勢いよく押され暫く怯んだが、ぶつかってきた相手は少々縦長の盾を持ち、金属の棒らしき物を持った青年だった。
 青年は猛ダッシュで駆け出し盾と共に全力で突進してきたのだ。



 「柳火・・・?」



 遠矢は乱れる息と共に弱々しく呟くように言う。
 顔が真っ青になっているのではないかと、自分でも分かるほど血の気が引いていた。
 柳火は元々押さえていた怒りをぶつけず、しかし表情は笑ってもいない無表情を向ける。



 「今日はもう休んでおけ、後は俺がやる。」



 その言葉を最後に、遠矢の意識は急速に遠ざかり全身の力も抜け崩れた・・・。



 「昔のご主人様とそっくりだ。」
 ニノはケラケラ笑いながらそう言うと、主人に呼ばれ地を強く蹴った。





 10/03/24 作成
 11/01/12 公開

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2011/01/12 (Wed) マビノギ CM(0)
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